京都府福知山市三和町にある旧川合小学校の教室につくられた私設資料館。
お蚕さんの教室、お米づくりの教室、ギャラリーの3つのスペースでは、それぞれ養蚕、お米づくり、福知山市三和地域に関わるものをご覧いただけます。
お蚕さんの教室・お米づくりの教室・ギャラリーのご案内
2つの特色
1.養蚕とお米づくりの手順を写真と実物の50以上の蚕具(さんぐ)と農具を置き、解説展示を行っています。
2.福知山市三和町の地形模型を置き、三和地域の養蚕とお米づくりに関わる背景を展示しています。
お蚕さんの教室
お蚕さんの教室では養蚕に関わる様々な蚕具や資料をご覧いただけます。
展示内容
・江戸時代の養蚕の様子がわかる大原神社天蚕図
・お蚕さんの卵
・成長に合わせ使う網の目が大きくなる「糸綱」
・脱皮したお蚕さんの抜け殻
・桑の葉を摘んだ「桑切爪」
・桑の葉をいっぱい詰め込んだ「いどこ」
・桑の木を引っこ抜く「抜根機」
・はんかご(蚕箔)をのせる「蚕棚」
・2022年に育てた春蚕、夏蚕、秋蚕の繭
・昭和4年版の京都府蚕桑図絵(養蚕神社でもあった大原神社や郡是萩原工場が記載)
・三和町芦渕の蚕業組合記念碑・清高宮・河野太一郎頌徳碑の展示
・真綿や実際に繭から糸を紡いだ生糸
小学生の訪問蚕交流で伺ったの「涙が出るほど嬉しかった」という感想も展示しています。
お米づくりの教室
お米づくりの教室では、昔の農具から先人の智恵・工夫、現代の機械のすごさを学ぶことが出来ます。
展示内容
・昔の農具と今の機械を対比して写真と実物を展示
・家族の一員、労働力だった牛が祀られる上川合稲葉神社の夏祭り、大原神社のお田植え祭りに関する資料
・手押し刈り取り機、千歯こき、足踏み脱穀機→毎年地域の小学5年生が使用しています
・水車、水路をつくるもっこ、にない棒、土つきなどの道具
・農村・農業の多機能として、洪水や土砂災害の防災に関する資料
・三和学園5年生の圧巻の学習のまとめ
大原神社絵馬殿の昔のお米づくりの流れを描いた「四季耕作図」を展示しているほか、約2m四方の三和地形模型は平地が少なく、谷間を流れる土師川とその支流が一目でわかります。
そこから轟水や大岼井堰の水路、実物の水車と共に、先人の水確保の苦労を感じとることができます。
ギャラリー
ギャラリーには「唐箕」「縄ない機」、わらで作られた「わらじ」「雪ぐつ」の日常品や「しめ縄」、お蚕さんが繭をつくるときに使う「まぶし」、祇園祭の山鉾の縄がらみに使われる田尻製縄所(友渕)の縄も展示しています。三和町に関わる書籍冊子も展示収集中です。
運営者
吉田武彦
京都府福知山市出身。元中学校社会科教諭。京都府内の中学校で37年にわたり地域と繋がった学びを追求し、現在は三和学園を中心に福知山の地域講師として働いている。
2009年、地域の人々が支える学校、地域のにない手が育つ学校づくり、過疎の農山村地域で取り組んだ郷土を誇り、郷土から世界を見る取り組みを学び「水源の里 綾部で文化を紡ぐ―中学生からの地・生・輝づくり」をウインかもがわ出版より出版。
歴史教育者協議会会員。地域と教育の会会員。蚕業遺産研究会代表。川口ふるさと塾副代表。ふりそでの少女像をつくる会事務局員。